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「私は相手の立場で行動しただけ」
パーチメント選手は、2021年8月4日の準決勝に出場するため国立競技場に向かう際、バスを乗り間違えました。到着先の海の森水上競技場にいた女性スタッフにタクシー代1万円を借りて移動し、レースに無事出場。金メダルを獲得した後、お礼のために女性スタッフを探し、タクシー代の返却とともにジャマイカ代表のシャツをプレゼントしました。
河島さんは旅行会社「近畿日本ツーリスト」が業務委託した派遣スタッフとして、競技会場のバス乗降場で選手ら大会関係者を案内・誘導する業務を担っていました。バスを乗り間違えたパーチメント選手は本来、選手村に戻ってバスに乗り換えるべきでしたが、「それではレースに間に合わない」との本人の答えがあり、現場責任者の判断で専用タクシーを呼んだそうです。タクシー代を渡してまでフォローしようと思った理由について、河島さんはこう回答しました。「知らない土地で試合のことで頭がいっぱいだろうし、そんな時に迷って間違ってしまうのは仕方ないだろうと思いました。国を背負って人生をかけて来てるんだろうなと思うと、今回このご時世の中、五輪に出られたのは奇跡かもしれない。もう最後になるかもしれない。一生後悔させてしまうことは私にはできないと思い、助けたい気持ち一心でした」
河島さんが日常生活から心がける人助けの意識「自分が相手の立場だったら」
「必ず戻ってくる」と言われたが「忙しいだろうから、そんなことはしなくていい」と返したそうです。ところが、ちゃんとまた会いに来てくれて、しかも金メダルというサプライズと、記念のプレゼント(ジャマイカのチームのシャツ)までいただいて、うれしさと驚きが止まらなかったそうです。8月19日は都内のジャマイカ大使館で河島さんへの感謝の式典が開かれ、同国観光相がジャマイカに招待する意向を明かしました。
パリ大会の公式商品のモデルに
フランスのスポーツブランド「デカトロン」は、2024年のパリオリンピック・パラリンピックの公式商品のモデルにストイコビッチ河島ティヤナさんを起用しました。