目次
- 1 南海トラフ地震臨時情報「巨大地震注意」
- 2 謎の異臭騒ぎ再び…神奈川・横須賀で通報相次ぐ
- 3 過去の南海トラフ地震
- 4 3月15日も異臭
- 5 異臭の原因は海底から噴き出たガスか?! 3月4日・6日・11日・12日 昨年11月6日以降も異臭は続いていた模様
- 6 最近の南海トラフ周辺の地殻活動
- 7 最近は異臭騒ぎは起きていない ・・・ 地殻変動で異臭が放出されなくなった?
- 8 11/6 14時30分頃~16時頃 ガス臭い
- 9 10/26 11時頃~12時頃 ガス臭い
- 10 10/24 19時20分頃~21時30分頃 硫黄臭い
- 11 10/15 横須賀市で異臭
- 12 10/14 横須賀市、横浜市で異臭
- 13 採取した空気からガソリンなどに含まれるイソペンタンなどの成分、化学製品を燃やした際に発生する成分が検出
- 14 10/12 またまた、横浜周辺で異臭 菅総理の自宅に到達
- 15 3.11直前と酷似する異常変動
- 16 1日夜、新たに2020年で5回目となる騒ぎ
- 17 地震頻発と異臭騒ぎには関連
- 18 南海トラフ 浅い部分のゆっくり滑り(2020年1月)
- 19 「南海トラフ巨大地震」という220兆円を超える激甚災害
- 20 内陸活動期の「前兆」
- 21 ひずみの分布
南海トラフ地震臨時情報「巨大地震注意」
8日夕方に起きた日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震を受け、気象庁は午後7時15分、次の巨大地震に注意を呼びかける「南海トラフ地震臨時情報」(巨大地震注意)を発表。
謎の異臭騒ぎ再び…神奈川・横須賀で通報相次ぐ
2020年以来の異臭騒ぎ 「硫黄みたいな…硫黄というかガス?」
神奈川県横須賀市周辺で2024年7月4日午前、「ガス臭い」「異臭がする」などの書き込みがSNSで相次ぎました。異臭があったのは、久里浜海岸や長瀬、野比、ハイランドなど広域にわたっています。
神奈川県での異臭発生日数は、2020年度には19日、2021年度には4日、2022年度には1日、2023年度には0日でした。
“ナゾの異臭騒ぎ”、始まりは4年前。2020年6月に横須賀市や三浦市で確認されて以降、横浜など沿岸部で“強烈な臭い”が相次ぎました。
異臭の通報があってから3時間ほど経った正午過ぎ、千葉県を中心に最大震度4の地震が発生
過去の南海トラフ地震
白鳳地震からの1339年間に、南海トラフでは主な大規模地震が13回発生しています。13回のうちの8回は、東海地震などの後に南海地震が連続して起きています。
- 永長(東海)地震の2年2か月後に康和(南海)地震
- 正平(東海)地震の同日か2日後に正平(南海)地震
- 安政(東海)地震の翌日に安政(南海)地震
- 昭和(東南海)地震の2年後に昭和(南海)地震
1854年の安政東海地震以降169年間、東海地震が発生していません。その間に、安政東海地震の90年後に昭和東南海地震(1944年)が、92年後には昭和南海地震(1946年)が発生しています。
3月15日も異臭
異臭の原因は海底から噴き出たガスか?! 3月4日・6日・11日・12日 昨年11月6日以降も異臭は続いていた模様
震度6、マグニチュード(M)7・9の揺れが関東南部を襲ったのは大正12年9月1日ですが、その予兆とされる地震が南関東でありました。大正9年5月13日、10年12月8日、11年4月26日の3回で、千葉県東方沖での地震であり、前震と思われます。最近では、下表のように、千葉県東方沖でM6規模の地震が発生しています。異臭は硫黄の臭いがするそうです。
千葉県東方沖を震源とする地震情報震度4以上
▼発生時刻 | 震源地 | マグニチュード | 最大震度 |
---|---|---|---|
2020年06月25日04時47分頃 | 千葉県東方沖 | M6.1 | |
2020年01月03日03時24分頃 | 千葉県東方沖 | M5.9 | |
2018年10月04日00時15分頃 | 千葉県東方沖 | M4.6 | |
2018年07月07日20時23分頃 | 千葉県東方沖 | M6.0 | |
2018年05月17日12時12分頃 | 千葉県東方沖 | M5.3 | |
2017年02月19日18時19分頃 | 千葉県東方沖 | M5.4 | |
2016年07月19日12時57分頃 | 千葉県東方沖 | M5.2 |
最近の南海トラフ周辺の地殻活動
最近は異臭騒ぎは起きていない ・・・ 地殻変動で異臭が放出されなくなった?
11/6 14時30分頃~16時頃 ガス臭い
10/26 11時頃~12時頃 ガス臭い
10/24 19時20分頃~21時30分頃 硫黄臭い
10/15 横須賀市で異臭
ガスが漏れているのかと疑うような臭い。マスクをしていてもその上からでもわかるようなはっきりとした臭い。臭気判定士によると、もろにガスの臭いです。メルカプタン系の…もっと濃度が上がったらガス漏れで東京ガスに連絡するくらいのものです。臭いは数分で消えるので、かたまり状態で流れてきた。海から風が吹いていたので「風に乗ってきたのではないか」。分析の結果、ガソリンなどが気化した際に出る「イソペンタン」が通常の10倍以上、「ブタン」が3倍程度の濃度で検出された。
10/14 横須賀市、横浜市で異臭
採取した空気からガソリンなどに含まれるイソペンタンなどの成分、化学製品を燃やした際に発生する成分が検出
10/12 またまた、横浜周辺で異臭 菅総理の自宅に到達
ガスというか、硫黄の匂いのようです。とても嫌な匂いとのこと。横浜市では12日、ほかにも西区の「みなとみらい」などであわせて3件、「異臭がする」との通報があったほか、今月3日には「ゴムが焼けたようなにおいがする」といった通報が25件、相次いでいます。いずれも、警察や消防が到着した時にはにおいはなくなっています。5分ほどで匂いは消えています。通報されていないものも含めれば、異臭がする回数は報道よりずっと多い。この異臭は海側からきていると予想されます。相模トラフは、日本列島が位置する陸のプレートの下に、南方からフィリピン海プレートが沈み込んでいる場所です。プレート境界が固着していることにより、沈み込みに伴って、両プレートの間にはひずみが蓄積されています。フィリピン海プレートが東京湾の地下で割れて、海底から異臭が出てきているのではないかと心配です。三浦半島の地下にはガス田がありますので、地下の異変の結果、ガスが漏れ出てきたのではないかとも考えるのが自然とおもわれます。
“地震の前兆” 説
災害史を専門とする立命館大学環太平洋文明研究センター特任教授の高橋学氏(66)は地震の前兆説を唱えています。 「三浦半島は、千葉の房総半島同様、活断層がむき出しになっている地域です。そこで岩石に圧力がかかると、火山灰の地層がないぶん、岩石が割れる前の臭いが、地上まで出やすい。それが、“焦げくさい臭い” なのです。『関東大震災が起きる直前にも、三浦半島でへんな臭いがした』という記録が残っています。 しかも今回、異臭騒ぎの間隔が次第に短くなってきている。いずれ首都圏で海溝型大地震が発生すると考え、警戒すべきです」。
貞観地震869年の9年後には関東で地震⇒ 東日本大震災2011年+ 9年=2020年
平安時代前期の878年10月28日 相模・武蔵地震 ・・・ 推定マグニチュードは7.4で、現在の関東地方南部に大きな被害をもたらした。震源断層は、伊勢原断層、或いは相模トラフのプレート境界断層のどちらか若しくは両方と推定されています。
3.11直前と酷似する異常変動
【1】東北警戒ゾーン
東日本大震災以降、日本列島の中でも最も大きな変動が続いています。秋田県南東部の電子基準点「皆瀬」の8.23cmを中心に異常変動も集中し、大地震発生が危惧されます。東日本大震災の発生直前、その震源となった海域に向かって大きな水平方向の動きが見られました。『プレスリップ』と呼んでいる現象ですが、それと似た動きが5月中旬に見られました。これは3.11以降、初めての現象です。特に岩手県の基準点『大船渡』と『三陸陸前高田』の周辺で大きな動きが起こっています。隆起・沈降の動きを見ても、太平洋側が隆起する一方、日本海側は沈降しており、境目にある奥羽山脈に大きな歪みが溜まり続けています。
【2】首都圏警戒ゾーン
千葉県の基準点『千葉花見川』が隆起する一方、県内の『富里』は沈降し、5月中旬に8.8cmの高低差が生じています。経験則から6cm以上の高低差は危険水域と考えるべきで、5月に起きた東京湾を震源とする地震も、この変動が関係している可能性があります。今も2つの基準点の高低差は大きくなり続けているので警戒が必要です。
【3】北信越警戒ゾーン
4月23日に最大震度4を観測した松本市の基準点『松本』では、4.96cmの異常変動が起こりました。『松本』は北信越で最も危険度が高くなっています。
【4】南西諸島警戒ゾーン
水平方向の動きを見ると、南西諸島全体では南東方向の動きが見られますが、沖縄本島の東にある大東諸島だけは真逆の北西方向に動いており、境目に歪みが溜まっています。
1日夜、新たに2020年で5回目となる騒ぎ
横須賀市や三浦市の東京湾側を中心に異臭が発生しています。「地震の前に異臭がした」という事例は1995年の阪神大震災の前にも数例の報告があったそうです。1970年代に大阪市立大学の研究チームが岩石に人工的な圧力をかけて破壊する実験を行なった際、こげくさいような独特の匂いが発生することが確認されており、現在では地震発生前や斜面崩壊前に確認される現象として知られています。1995年の阪神・淡路大震災が発生する数か月前にも、神戸市東部でこのような異臭が確認されていました。東京湾口には『相模トラフ』が存在します。相模トラフは北米プレートの下にフィリピン海プレートが潜り込む形で摩擦により固着しているのですが、フィリピン海プレートによる圧力が強くなると、固着域が剥がれていき、それに伴い岩石が崩壊する。それが今回の異臭騒ぎの原因となった可能性があります。異臭の通報場所は4回とも東京湾に面した三浦半島東部に集中しているとのことです。今回の匂いは、岩盤が割れたときに発生するにおいの特徴に似ているので気になります。 もしかすると今、三浦半島の地下の北米プレートが割れているのかもしれません。異臭が三浦半島だけならば、三浦半島直下型地震で収まるかもしれませんが、房総半島の南部でも同じような異臭が発生していたら、相模トラフ由来の大きな地震になる可能性があります。
地震頻発と異臭騒ぎには関連
19日には、神奈川県横須賀市で6月以降、4回目の“異臭騒ぎ”が起きている。
関東大震災直前にも変なニオイ
1923年の関東大震災の直前、浦賀(横須賀市)や三浦半島南端の城ケ島で異臭がしたといいます。プレート運動によって岩石が崩落し、異臭が発生していた可能性があります。北米プレートが跳ねたら首都圏巨大地震が、ユーラシアプレートが跳ねたら南海巨大地震が発生してしまいます。
南海トラフ 浅い部分のゆっくり滑り(2020年1月)
南海トラフでは陸側プレートの下に海側プレートが沈み込み続けている。境界は固着している部分と滑っている部分があり、長年固着してひずみがたまった所が急に滑ると大地震や津波を引き起こす。ゆっくり滑りを検出した7地点は、強い固着が推定される領域の周辺にあり、変動幅は5~8センチ程度。このうち紀伊水道沖の2地点は2017年から18年にかけ、同時にゆっくり滑っていた。ゆっくり滑った所の近くにある固着域では、急に滑らせようとする圧力が高まる恐れがある。
「南海トラフ巨大地震」という220兆円を超える激甚災害
「トラフ」とは、海底に舟底のような平たい凹地形ができる場所を言います。南海トラフは静岡県沖から宮崎県沖まで続く水深4000メートルの海底にありますが、ここは歴史的に巨大地震が繰り返し起きた場所です。日本列島には南方から来た「フィリピン海プレート」が沈み込んでいます。このとき地下でひずみが蓄積され、100年に1度くらい巨大地震が起きます。これと同時に巨大な津波が発生し海岸を襲います。
三つの震源域は地震の起きる順番が決まっており、最初に名古屋沖で東南海地震が発生し、次が静岡沖の東海地震、最後に四国沖で南海地震が起きます。前回は東南海地震(1944年)が起きた2年後に、南海地震(46年)が発生しています。その前の回(1854年)は、32時間の時間差で活動しています。また3回前(1707年)には、三つの震源域が数十秒のうちに活動しています。
内陸活動期の「前兆」
これまでの研究で、南海トラフで巨大地震が起きる40年ほど前から、日本列島の内陸部で地震が増加することが分かってきました。事実、20世紀の終わりごろから内陸部で地震が頻発しています。例えば、1995年の阪神・淡路大震災の発生は、内陸地震が活動期に入った時期に当たります。次の南海地震が起こる時期を予測すると、2038年ごろという値が得られているそうです。そのほか、古地震やシミュレーション結果から予想した結果、南海トラフ巨大地震の次の発生時期は2030年代(2035年±5年)と考えられています。
ひずみの分布
南海トラフ巨大地震の想定震源域におけるプレートのひずみ状態が初めて明らかになりました。1940 年代に発生した M8 クラスの地震の震源域西側の沖合と、想定東海地震の震源域の南西側に、ひずみの強い領域が延びています。