手足の腫れなど感染が疑われる症状が出た場合、すみやかに医療機関の受診を
風邪によく似た病気ですが、レンサ球菌という風邪のウイルスとは異なる細菌による病気です。
通常はレンサ球菌に感染してものどの痛みや皮膚の感染症程度にとどまります。
発症すると数日以内に血管や神経などが壊死し、あちこちの臓器に障害を起こして、ショック症状になり死亡することが多い病気です。
日本でも毎年、発症者が報告され、このうち約30%が死亡という、致死率の高さが特徴です。
子どもから大人まで広範囲の年齢層に発症しますが、とくに30歳以上の大人に多いのが特徴です。
患者が近年急増中
免疫回避の仕組み
レンサ球菌への免疫反応が起きるとき、免疫細胞の表面に発現するたんぱく質「ミンクル(Mincle)」が、レンサ球菌を生み出す脂質「モノグルコシルジアシルグリセロール(MGDG)」を認識し免疫反応が活性化します。
レンサ球菌はMGDGを元にして、ミンクルの働きを阻害する脂質「ジグルコシルジアシルグリセロール(DGDG)」を生み出します。重症化したレンサ球菌にはDGDGが多く含まれ、同脂質を大量に生み出して免疫の攻撃を回避します。
感染経路
患者のほぼ半数については、どのように体内に侵入したのかわかりません。しかし主に以下の感染経路から体内に侵入することがわかっています。