早期警戒システム(MEW)
地震が発生する前、宇宙空間の測位衛星から発信された電波が、受信局に到達するまで異常に遅延する現象が起きる場合があるとされる。その現象に着目し、地震科学探査機構(JESEA)が構築した検知システム(特許取得)。予測の成功率は87・2%と極めて高く、「驚異の捕捉率」(地震学者)と称されています。「いま最も危ない」と注目されているのが以下の3ゾーン。分析は、地上約2万キロメートルを周回するGNSS(衛星測位システム)のデータを活用し、国土地理院が公表する全国約1300カ所の電子基準点で、地盤の変動を観測し、地面が大きく沈むなどの異常現象を基に発生地域をシミュレーションしています。現在、3カ月以内に震度5以上の地震が起こる兆候をつかんだ場合、「MEGA地震予測」(月額380円税込み。https://www.jesea.co.jp)で配信されています。2013年から2019年にかけて、発生3~6カ月前までに前兆を捕捉、予測に成功したケースは87・2%(JESEA調べ)を誇っています。「経験則から静穏状態が長く続いた後に大きな地震がくる。2016年に起きた熊本地震のような震度5弱から6程度が、2021年の1~2月に発生する可能性もある」とのこと、要警戒です。
危険度1 首都圏・東海ゾーン
最も警戒するのがこの地域。
- ここ約2カ月間で伊豆半島、伊豆諸島、駿河湾沿い、富士山周辺に、水平方向と高さ方向で大きな変化
- 八丈島や三宅島、大島を見ると、水平方向で矢印が北や北東に向くのに対して、陸側の富士山周辺は南に向き不安定になっている
- 千葉県の花見川が隆起する一方、東側に位置する富里や大網白里など房総半島中央部は沈降している
- 神奈川県の厚木周辺では10月28日と11月11日の2回、水平方向で東向きに異常
- 関東大震災の震源として有力な神奈川県の大井で9センチの高さ変動
危険度2 信越ゾーン
茅野は、九州や四国から東西に延びる中央構造線と、新潟県南北に延びるフォッサマグナ(大地溝帯)の交点にあたり、断層が多い。10月14日に茅野の観測点で、いままでにないほどの大きな異常値が出て以来、11月末までに隆起を続けた。
危険度3 東北ゾーン
岩手、宮城両県の東側が東方向に動く一方、青森県南部と岩手県北部、福島県南部と茨城県北部は、ほとんど変化がない。つまり、岩手県の北部、宮城県の南部それぞれの境が引きちぎられそうになっており、地震が起きやすい。