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2025~2026年の冬季の北極海氷面積は史上最少を推移

氷の亀裂は春になると巨大な「ヒーター」として機能します。冷たい空気が露出した暖かい水面を移動すると、熱を吸収し、渦巻く気柱と「海煙」を形成します。亀裂の真上の空気は周囲の空気よりも平均10℃高いことが示されています。この温度が氷の亀裂をさらに深め、融解を加速させます。

海氷の「隙間」(海水が空気にさらされる亀裂)が産業排出物と相まって大気の化学組成を変化させていることが示唆されています。

北極付近ですら海氷の密度が80%程度で、亀裂や隙間が多い状況です。

1962年の海氷限界線(水色)
温暖化が騒がれる前の1962年の海氷限界線を見ると、大西洋側の海氷の減少が激しいです。(バレンツ海の海氷は消滅、北米のニューファンドランド島周辺の海氷が消滅)
太平洋側も、東ベーリング海の海氷が消滅、オホーツク海の海氷も薄くなり消滅が近いです。

地球全体の平均の3倍のスピードで温暖化が進行
地球温暖化に伴い、直近5年(2017~2021年)平均の北極海の海氷域面積は、1979〜1983年の5年間の平均と比べて約280万km2も減少しています。
これは日本の国土面積(約38万km2)の7倍以上です。

減少傾向にある北極域の海氷域面積は、2012年9月には過去最小の約318万km2を記録。記録的な高温となった2020年9月も、観測史上2番目に小さい約355万km2を記録しています。
雪は太陽光を10〜20%しか吸収しないのに対し、水は90%も吸収します。つまり、北極海の海氷が減ると、太陽熱の反射が弱まるので、北極の温暖化はもちろん、地球全体の温暖化をさらに加速化させてしまいます。
北極の氷が完全に消失すれば、地球全体の温暖化は2倍のスピードで悪化するという報告もあります。

有効な気候変動対策がとられなかった場合、今世紀半ばまでに、9月の北極域の海氷がほぼ消失
北半球の氷や雪は、21世紀の間、減少し続けると予測されており、有効な気候変動対策がとられなかった場合、今世紀半ばまでに、9月の北極域の海氷がほぼ消失する可能性が高い。


