星空は日周運動により1時間15度のスピードで移動していきます。よって、星を流れることなく点状に撮影するには、その日周運動に合わせてカメラを動かす必要があります。そのために、「赤道儀」という星空を追尾する為のモーターを内蔵した雲台を使用します。北半球の場合は、北極星という便利な2等級の星があるのですが、南半球の場合は北極星のような星がありません。マニュアルでは、はちぶんぎ座の4つの星が形づくる台形で合わせることになっていますが、4つの星は、σ星(5.5等)、χ星(5.2等)、τ星(5.6等)、ν星(5.7等)という明るさです。日本の夜空では肉眼で見える星の明るさは6等級と言われていますので、とても暗い星です。極軸は極軸望遠鏡という小さな望遠鏡であわせますが、なにせ6等級近い星ですので、暗視野照明装置は必須です。実際に、オーストラリアで南天の極軸合わせを行った際のポイントを挙げます。
オーストラリアでは星が見えすぎて、極軸望遠鏡の視野にもたくさんの星が見えますので、はちぶんぎ座の台形を探してもなかなか見つかりません。
10度の視野円を追加すると、わかりやすくなりますが、実際の夜空にこのような線はありません。
探すのは、次の形です。黄色線の台形が見つからない場合、緑線の直線に並ぶ3つの星を探してみてください。この3つの星、目立ちます!!
見つけられたでしょうか?
では次に、実際の夜空です。
さあ、目印の台形は見つけられましたか?