目次
ススキ揺れる終着駅
いよいよ最後
留萌駅
真布の夜
札幌<-> 留萌 往復きっぷ
留萌線の記憶
留萌線の思い出が詰まった一冊。2023年廃止の石狩沼田―留萌間ほか、留萌線全線の沿線風景を美しいカラー写真で振り返った写真集です。稲穂が色づくのどかな田園風景、峠から臨む山間の様子、無数の星屑を背景に佇む駅、日本海を沿うように疾走する列車など、自然が織り成す多彩な沿線風景が描写されています。
ソバの花
峠下駅 秘境
留萌線のなかで、唯一すれ違いが見られる駅です。
2023年3月末に石狩沼田駅~留萌駅が廃止
留萌線は1910年に留萌まで開通し、1921年に増毛まで延伸開業したという歴史ある路線です。
輸送密度は、国鉄時代の1975年度で2,245人。「輸送密度4,000人未満」という特定地方交通線に該当する数字でしたが、「乗客ひとりあたりの平均乗車距離が30kmを超え、かつ輸送密度が1,000人以上」という除外規定に該当し、廃止を免れました。
1980年度に1,582人、1985年度に654人、1989年度に433人と、1980年代に輸送密度が激減。その後も漸減傾向が続き、2020年度と2021年度は90人にまで落ち込みました。
2020年度に深川留萌道が全通するなど、並行する道路整備も進み、留萌線が地元に果たす役割は小さくなっていました。
2016年には留萌~増毛間を廃止。2023年に石狩沼田~留萌間、2026年に深川~石狩沼田間を廃止することにより、開通110余年を経て、留萌線はその歴史に幕を閉じます。
JR北海道 来春、留萌線廃止合意 ( T T ) JR北海道の未来 2段階で廃止
石狩沼田―留萌間は2023年3月末、残る深川―石狩沼田間は26年3月末で廃止されます。
留萌線 留萌~深川 50.1キロ 2023年3月廃止
留萌線のロケ地
留萌は、平成11年に放映されたNHKテレビ小説『すずらん』の撮影地です。留萌本線恵比島駅(えびしまえき)は、ドラマの中で明日萌駅(あしもいえき)として登場しました。ドラマの撮影のため昭和初期の駅舎を再現し、現在もそのまま駅舎として使用、駅舎には「明日萌駅」という表示も残されています。
実際の恵比島駅
明治40年9月改築された駅舎は昭和61年に取り壊され、緩急車を改造した簡易駅舎です。
ロケ用に建てられた 駅舎
テレビ小説『すずらん』は、昭和初期という設定のため、簡易駅舎を古材で覆い、その横にドラマのための昭和初期の駅舎が再現されました。『すずらん』放映でブームとなった平成11年から8年間は深川駅〜増毛駅間に「SLすずらん号」も運転されていました。
こんな光景は見られなくなります
戦前の北海道の鉄路
1956年の北海道の鉄路
この路線図の2年後の1958年(昭和33年)10月18日に、未開通区間であった初山別駅 - 遠別駅間が開業し、天塩線が羽幌線に編入され、留萠駅 - 幌延駅間が全通しました。
1960年の北海道の鉄路
1972年の北海道の鉄路
定山渓鉄道は、1969年(昭和44年)11月1日をもって全線廃止となり、この路線図から消えています。
もし、鉄道敷設法で予定されていた鉄路が全て完成していたら
1892年に制定された鉄道敷設法は、国が建設すべき鉄道路線を定めたものでした。主要路線がほぼ完成したのち、1922年には同名の改正法が制定され、150の地方路線が計画されました。しかし第2次世界大戦や、戦後の自動車普及の影響もあり、結果的に建設・開業されたのは予定数の4分の1程度で、1987年の国鉄分割民営化に際し、同法は廃止されました。第二次世界大戦が無く、自動車社会にならなければ、こんな北海道になっていたかもしれません。
今後、北海道で残る鉄路
①北海道新幹線 新青森~木古内駅~新函館北斗~新八雲駅~長万部~倶知安駅~新小樽駅~札幌駅
②小樽~札幌~千歳~苫小牧~室蘭~長万部
③札幌~千歳~新夕張~新得~帯広
➃札幌~岩見沢~滝川~深川~旭川
⑤札幌~北海道医療大学
道北、道東の鉄路は、国が支えない限り、消えてしまいますね。