滝の裏側からの眺め
道道丸瀬布上武利線沿いの駐車場から山道を歩いておよそ5分。倒木をよけながら登っていき視界が開けると、大きくせり出した岩から絶え間なく流れ落ちる水が、約28メートル下の石に跳ね返り、辺り一面をぬらしています。岩のくぼみから、落下する水の裏側に入れるため、「裏見の滝」とも呼ばれる道内では珍しい滝です。この滝には、アイヌ民族にまつわる伝説があります。町村合併で遠軽町となる前に出された「新丸瀬布町史」によると、1897年(明治30年)の冬、狩猟中だった近くのアイヌ青年が吹雪で遭難。沢伝いに山を下る道中で滝つぼに落ちましたが、かすり傷一つも負わず無事だったそうです。以来、その青年と仲間の人々は「カムイソー(神霊の滝)」とあがめ、儀式を行うようになったとされています。