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全世界: 新型コロナウイルスの流行状況
新型コロナウイルスの累積感染者数は8月下旬までに約2億1000万人、死亡者数は約440万人。8月はデルタ株の拡大により世界的に感染者数が増加。地域別では今まで感染者数の少なかった東南アジアで増えており、とくにインドネシア、マレーシア、タイ、ベトナムなどで多くなっています。また、ヨーロッパや北米でも再燃がみられています。
南半球: 季節性インフルエンザの流行はみられず
南半球の温帯地域(オーストラリア、ニュージーランド、チリ、アルゼンチン、南アフリカなど)は冬の季節を迎えていますが、季節性インフルエンザの流行は今年もみられていません。これは新型コロナウイルスの流行により、国際的な人の移動が制限されていることや、飛沫感染対策が効を奏しているためと考えられています。
アジア: 中国とインドで鳥インフルエンザ患者が発生
中国では7月下旬~8月中旬にH5N6型の鳥インフルエンザ患者が5人発生。今回、患者が確認されたのは、広西省、四川省、湖南省、広東省と中国南部が多くなっています。H5N6型の患者は2014年以来、中国で40人確認されており、このうち2021年の発生数は16人と増加傾向にあります。一方、インド北部のHaryana州で、6月にH5N1型の鳥インフルエンザ患者が1名発生しました(WHO 2021-8-16)。同国でのH5N1型の患者発生は初めてです。H5亜型の鳥インフルエンザウイルスは高病原性であるため、今後、十分な監視が必要。
アジア: アジアでのデング熱流行状況
インドで流行、1週間で68人が死亡、数百人が入院。感染者の9割が子どもで、発症後「あっという間に死んでいく」。デング熱は蚊が媒介するウイルス性の感染症で、インドではよくみられる病気だ。
アフリカ: 西アフリカでのエボラ熱、マールブルグ熱の発生
コートジボアールの首都アビジャンで8月中旬にエボラ熱の患者が1名発生。同国では1994年以来のエボラ熱患者の発生。この患者は隣接するギニアから陸路で移動してきた。ギニアでは今年1月からエボラ熱の流行が発生し、6月中旬に流行終息宣言。なお、ギニアでは7月下旬、南西部でマールブルグ熱の患者が1名発生。マールブルグ熱の原因となるウイルスは、エボラ熱の原因と同様にフィロウイルス科に属します。ギニアで初めてのマールブルグ熱患者で、感染経路は今のこところ不明。