犯人はスズメ
通常,桜は花びらが1枚ずつ散るものですが、椿の花ように花の根元からボトっと落ちているのを見かけます。桜の花の奥には蜜があって、もともとメジロなどのくちばしが細い鳥は、花を落とさずに上手に吸っています。蜜を吸うのには不利だった太くて短いくちばしのスズメは、堅い花の根本をかじって、蜜をゲットしています。江戸時代中期の画家、三熊花顛(1730~1794)が、スズメのそのような行動を想像させる画を残しており、かなり昔から、スズメはそうやって蜜を舐めていたようです。では、このスズメの盗蜜が桜にとってどれくらい迷惑なものなのかというと、実はその影響はあまりないようです。日本で最も多い桜の種類はソメイヨシノですが、これは接ぎ木などで増える品種。ソメイヨシノ同士で受粉しても、芽が出る種子は作られないのです。なので、スズメがいくら花をちぎってしまったところで、ソメイヨシノの増殖には関係がないそうです。