2025年,この環がほとんど見えなくなる「環の消失」という現象が発生
環が見えなくなる条件は大きく3つに分かれます.ただし,今回の場合、3月から4月中旬までは太陽に近いため,観望には適しません。5月7日ごろは,夜明け前の東の低い空に見られます。
- 土星から見て地球が赤道方向にある場合,環はたいへん薄いため,横向きではほとんど見えなくなります.【3月24日に地球が土星の北側から南側へ移り】
- 土星から見て太陽が赤道方向にある場合,薄い環に太陽光が当たらないため,ほとんど見えなくなります.この場合は,約29.5年の公転周期中に2回おきるため,およそ15年に1回チャンスがあります.【5月7日に太陽も土星の北側から南側へ】
- 土星に対して地球と太陽が南北に分かれる場合も,地球から見えるのは太陽光の当たらない面となるため,環はほとんど見えなくなります.【 3月24日~5月7日の間 】
土星から見た地球と太陽の方向を緯度のグラフ
赤道方向(緯度0°)を横切るタイミングで環の消失は発生し,前回は2009年,次回は2039年。グラフをよく見ると,2025年にはもう1回,地球が土星の赤道方向に近づくことがわかります.11月25日ごろで,夕方から夜にかけて高度も十分にあり,観望しやすいです。