線路では列車に、道路ではバスへ
過疎地を含む地域の足となるだけでなく、四国観光の起爆剤。
DMVの歩み
JR北海道が最初にDMVの基本システムを開発しましたが、世界初のDMV本格営業は、JR四国となりました。
2015年8月、JR北海道が、線路と道路の両方を走るデュアル・モード・ビークル(DMV)の実用化を断念したためです。徳島県が「公共交通の救世主に」と構想を受け継ぎました。
"新幹線開業準備"と"安全対策へ経営資源を集中させる"ため、DMV開発への資金投入を中止したようですが、正しい判断だったのか? 北海道新幹線を望んでいる道民がどれだけいるでしょうか?
DMVの導入が進まない理由
道路渋滞の少ない地方では、定時性と高速性という鉄道の特性が活かしにくく、「DMVを導入するならバスで十分」という単純な指摘に反論することができないからです。
DMVの特性が活かせるとすれば、道路渋滞の多い都市部ですが、現状のDMVは都市部では輸送力が足りません。結局、現状のDMVは中途半端なのです。
夢のある車両
DMVは発想としては面白いですし、どこかで走るなら乗ってみたい、という方も多いのではないでしょうか。そういう気にさせる夢のある車両です。
鉄道車両が線路の制約から解き放たれて街へ出て行く姿には、小さなロマンがあるのかもしれません。だとすれば、このまま消えてしまうのは、もったいない。
まずは遊園地や保存鉄道など、鉄道事業にあたらない形で走らせることを検討してほしいものです。