幸せの青い鳥 イソヒヨドリ
ヒヨドリと名がつくもののヒヨドリとは近縁ではなく、ツグミに近い仲間です。日本列島に渡ってきたイソヒヨドリが、海岸沿いの崖地などに営巣するようになり、1980年代の後半ごろからは、次第に内陸のビル街や工場の外壁部材にイソヒヨドリの姿が見られるようになりました。性質は極めて図太く好奇心旺盛で、人間のすぐそばに飛んできて平然と佇んでいることも多いです。ランナーが近づいてきても逃げません。派手な体色の鳥は、概ね警戒心が強いものですが、イソヒヨドリはほとんど人間に警戒心を持ちません。これは人間の住む環境に参入しはじめた歴史が浅く、他の野鳥たちのようにまだ人間にひどい目にあったことがないためでしょう。餌付けをすれば、比較的容易に手に乗って餌を食べるほどに慣れることもあるようです。
害虫駆除能力も高いイソヒヨドリ
狩猟能力に優れたイソヒヨドリは、磯ではカニやフナムシを捕らえていたように、都市部では多く生息するゴキブリやネズミをよく捕らえて食べます。
鳴き声も絶品
鳴き声は非常に美しく、特に春から夏にかけての繁殖期ごろのオスは、縄張りの高い場所をソングエリアとして利用して、高らかに歌を奏でます。マンションやショッピングセンターの屋上で、豊かな抑揚と複雑な音程の鳴き声はまさに絶品。聞きほれてしまうふくよかな美声は、イソヒヨドリの大きな魅力です。