2009年の皆既日食のリベンジ
2009年に惨敗した経験から、とにかく晴れる場所の選定からはじまりました。各日食ツアーの観測地からどう選ぶか。
最初は、全工程が見られる、海岸の観測地からの選択を考えていたのですが、11月は乾季の終わりの時期であり、偏東風が吹き付ける海岸付近は西に南北に連なる山地の影響により雲の発生が懸念されたため、とにかく晴れる場所を選ぶという方針で、内陸の観測地から選ぶことにしました。
最終的に選択したツアーがこれでした。
これが、結果的にベストに近い選択となりました。次のように、予想どおり海岸部は雲がでました。マリーバは、まさにツアーの説明会資料のような晴天でした。
内陸を選んだことで、ケアンズのホテルの出発が夜中となり、マリーバ到着は2時頃となりました。観測場所は馬の牧場であり、降り立つと足元が見えない暗さです。
夜空を見上げると、次のような初めて見る南天の星空が広がっていました。
あらためてマリーバを選択して大正解と感じた瞬間でした。ケアンズ方面の光害は見えますが、山地の内陸側のマリーバは空気が乾燥しているため影響は少ないようで、南天の主役は一通り見られました。そして、夜明けが近づくにつれて、東の山から"サーチライト"のような強烈な光が現れました。「誰だ? 山で明かりを付けたのは」と思いましたが、それはなんと金星でした!! オーストラリアの暗い空では、金星の明るさは邪魔に感じるほどなのです。
山の上の雲から、欠けた太陽が昇ってきて、いよいよ日食本番です。雲は、山を越えたら消えていき、こちらへは流れてきません。どんどん日食が進み、ダイアモンドリングが現れる30秒くらい前から、シャドーバンドが現れました。
そして、太陽が月に完全に隠された瞬間、昼間に夜が突然やってきました。もう、大興奮ものです!!
皆既の時間はあっという間でした。