CO2を排出しないバス
最近、都営バスで、燃料電池バスをよく見かけるようになりました。
国内で初めて型式認定を受けた量産型の燃料電池バスSORAとして2017年3月に市販開始となり、20日、東京・霞が関の国土交通省で報道向け説明会・試乗会が行われました。バス用途の中でも路線バスに適したSORAは、トヨタ自動車がパワートレインを中心に開発し、ボディは日野自動車が担当しました。東京都では、2017年3月21日(火)から、市販車では日本で初めて、路線バスとして営業運行しています。路線は、「都05系統 東京駅丸の内南口 ~ 東京ビッグサイト」でした。乗車定員は座席26人、立席50人、乗務員1人の計77人。東京都は2020年の東京五輪までに100台を導入予定しているそうです。
燃料電池バスの仕組み
SORAは、乗用車タイプの燃料電池車(FCV)「ミライ」の水素タンクとFCスタックを流用した他、駆動用バッテリーは「クラウン」、駆動用モーターは「レクサス RX」と共通となっているそうです。燃料電池のためのユニットは、ルーフ上前方と後方に分けて、水素タンク10本と、空気中の酸素と水素の化学反応で電気を作るFCスタック2基を置き、モーターなど駆動系だけを、床下(後方)に配置しています。水素がルーフの前方から後方に流れ、FCスタックで電気となり、駆動モーターを回します。水素は軽く、10本の高圧タンクでも重量は約22kgで、重いバッテリーをルーフ積むような不安定さを生じさせません。SORAに搭載したタンクには20~23kgの水素を10~15分で充てんでき、走行距離は200km以上とのことです。
また、大容量の外部電源供給システムを搭載し、最高出力9kW、供給電力量は235kWhで「避難所となる体育館の5日分に相当する」の電力を供給できるそうです。
2020年1月から最新型登場
令和2年(2020)年1月より、最新型の燃料電池バスが登場しました。外観に大きな変更はありませんが、EDSS(ドライバー異常時停止システム)が備えられたほか、車内には換気でプラズマクラスターを天井に3基設置、車外は前面にセンサーを追加設置したほか側面の行先表示が見やすくなっているとのことです。プラズマクラスターイオンによる空気浄化は、コロナ禍では嬉しい機能です。
プラズマクラスターイオンの効果
- 布に染みこんだタバコの臭いの脱臭
- 浮遊しているダニの糞や死骸等のタンパク質を切断して除去、アレルゲンの作用を低減
- 空気中のウイルスを除去し、浮遊ウイルスの作用を抑える
- 細菌の細胞膜のタンパク質を断片化して不活化
- 浮遊しているカビの細胞膜のタンパク質を切断して分解除去