一般的に天の川と言えば、ミルキーウェイと言われるように白くボーッと見えるものです。最近の日本は全国的に光害が酷くなっているため、かなり都市部から離れないとその存在すら確認できなくなってきています。しかし、「天の川と言えば、白くボーッと見えるもの」という認識を変えてくれたのが、1990年10月に訪れた「然別峡の旧菅野温泉旅館」で見た天の川でした。その夜は、新月で快晴、透明度も良く、全周真っ暗という空でした。そこで見た天の川は、まさに銀河という星の集合体をイメージさせ、天の川の輪郭が明瞭にわかりました。普通であれば秋の夜空は、目立った明るい星と言えば、みなみのうお座のフォーマルハウトのみで寂しい空ですが、そこは星が見えすぎてペガサス座の四辺形もわかりずらかったのを記憶しています。おそらく7等星くらいまで見えていたのでしょう。現在にいたるまで、日本国内で私が見た星空の中で、あの時の菅野温泉の星空が一番のままです。