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生活関連

東京スカイツリーで22日にエレベーターが緊急停止 乗客20人が閉じ込められた事故

エレベーターと制御盤をつなぐケーブルの破損が原因

ケーブルがエレベーターをレールに沿って移動させる「ローラーガイド」と呼ばれる案内装置の回転部に巻き込まれて破損し、ショート。電気系統の制御回路に電気が流れ続けないようエレベーター機械室にある制御盤内のヒューズが溶断し、緊急停止した。

再発防止策として、ローラーガイドとケーブルとの接触を防ぐため、ローラーガイドをカバーで覆う。

スカイツリーは総点検のため23~25日に臨時休業した。

事故の詳細

1.発生日時
2026年2月22日(日)20時15分頃
2.発生場所
東京スカイツリー高さ約30m付近(冬のエレベーター)
3.発生状況
2月22日(日)20時15分頃、冬のエレベーターが天望デッキ フロア340を出発し、5階 出口フロアへ向かって下降していたところ、地上約30m付近に停止しました。その後、
隣接する秋のエレベーターにおいても「故障警報」が発報し、防災センターが認知しました。防災センターにおいて、速やかにエレベーターの防災カメラを確認し、冬のエレベーター内に
20名のお客さまが閉じ込められていることを確認しました。なお、冬のエレベーター内の照明や空調は稼働しているものの、インターホンによる防災センターからの呼びかけができない状況でした。

また、秋のエレベーターは、4階から天望デッキ フロア350(地上350m)へ上昇中に「故障警報」が発生。天望デッキ フロア350に到着し、お客さまが降車後、停止しました。
その後、冬のエレベーターに閉じ込められた20名のお客さまの救出に向けて、定められた救出手順に則って救出を試みましたが、冬のエレベーターを動かして救出することができませんでした。
様々な方法を検討し、最終的に秋のエレベーターを動かせる見込みがたったため、秋のエレベーターを冬のエレベーターに横付けし、側面にある緊急用ドアを開け、救出用の金属板を渡
して、20名のお客さまを秋のエレベーターへ移動していただき、翌日2時2分頃に秋のエレベーターを5階 出口フロアに下降させて、20名のお客さまを救助しました。
20名のお客さまには救急隊員と当社に常駐している救急救命士によるメディカルチェックを行いましたが、体調不良やお怪我をされた方はいらっしゃいませんでした。
その後、原因調査を行うため、2月23日(月・祝)から東京スカイツリーを臨時休業し、エレベーターの総点検を実施しました。

4.原 因
秋・冬のエレベーター2基が停止したのは、いずれもエレベーター機械室にある制御盤内のヒューズが溶断したことが原因でした。
制御盤内のヒューズが溶断したのは、冬のエレベーターの移動ケーブル※1がエレベーター下に設置した「ロープ振動絶縁装置」※2のローラーガイドに巻き込まれたことで、移動ケーブルの被覆が剥がれて内部配線が損傷し、地絡したことが原因でした。
また、秋のエレベーターが停止したのは、秋と冬のエレベーターは、それぞれ独立した制御盤を有してしますが、非常時に相互に横付けして救出する際の「緊急用ドアスイッチ信号」の
配線が両制御盤で共通配線として持っているため、冬のエレベーターの移動ケーブルが巻き込まれたことにより、その配線も損傷したことで、秋のエレベーターの制御盤内のヒューズも溶断したことがわかりました。
※1:移動ケーブル
エレベーターの制御盤とエレベーター本体をつなぐケーブルで、各種回線(電源、制御信号、通信等)が硬質ゴムで覆われている(幅:約13cm、厚さ:約2cm、長さ:約200m、総重量:約1t)。
※2:かご下ロープ振動絶縁装置
エレベーターの揺れを抑え、エレベーターの乗り心地をより良くするための装置。本装置は、強風によるエレベーターの揺れを抑える対策として、2015年3月から2016年10月にかけて、春・秋・冬のエレベーター3基に設置(設置時期は、以下のとおり)。
2015年3月 冬のエレベーターに設置
2016年3月 春のエレベーターに設置
2015年10月 秋のエレベーターに設置
5.発生原因の究明
今回の冬のエレベーターにおけるお客さまの閉じ込め事故は、当該エレベーターの制御装置と当該エレベーター本体と接続する移動ケーブルが、エレベーターをレールに沿って走行させる案内装置(ローラーガイド)の回転部に巻き込まれたことで、移動ケーブルの被覆が剥がれ
て内部配線が損傷して地絡したことで緊急停止し、その後のお客さまの救出に支障をきたしたものでした。当該エレベーターの移動ケーブルがローラーガイドに巻き込まれた要因を検討した結果、以下の3つの要因が重なったことで生じたものと考えられました。

<移動ケーブルがエレベーター本体下ローラーガイドに巻き込まれた要因>
要因①:当該エレベーターの移動ケーブル自体の「ねじれ」。
要因②:風による東京スカイツリー塔体の揺れで生じる当該エレベーターの移動ケーブルの揺れ。
要因③:エレベーター本体下のロープ振動絶縁装置のローラーガイド部に保護カバーなし。
■要因①
当該エレベーターの移動ケーブルは、2025年12月に交換していました。交換後の移動ケーブル自体の「ねじれ」の状態が、交換初期から変化したものと考えられました。
■要因②
移動ケーブルは塔体構造物側と接続しているため、風の影響による塔体の揺れにより、当該エレベーターのローラーガイドに接近する方向で、揺れていたことが推定されましたが、
その移動量は通常であれば運行に支障はありませんでした。
■要因③
通常、移動ケーブルはエレベーター本体下ローラーガイドへ接触するようなことはありませんが、万一、移動ケーブルが大きく揺れた場合等に備えてローラーガイドを覆うカバーを設置
し、移動ケーブルと接触することを防止しています。
冬のエレベーターには、特殊仕様として「かご下ロープ振動絶縁装置」※2が取り付けられており、この装置にもレールに沿って走行するためのローラーガイドが設けられていますが、
カバーは設置されていませんでした。
このため、移動ケーブルが強風等によって大きく揺れた場合、移動ケーブルと「かご下ロープ振動絶縁装置」のローラーガイドが接触することが考えられました。

■移動ケーブルがローラーガイドに巻き込まれた推定メカニズム
推定①:要因①により、移動ケーブルにローラーガイドに巻き込まれやすい角度の「ねじれ」が発生。
推定②:要因②により、移動ケーブルに揺れが発生し、エレベーター本体と移動ケーブルが接近。
推定③:要因③により、「かご下ロープ振動絶縁装置」のローラーガイドに、「ねじれ」のある移動ケーブルが接触して巻き込まれ、動きが拘束された移動ケーブルがエレベーター本体と接触し、被覆が剥がれて内部配線が損傷、地絡して故障。
推定①~③によって、冬のエレベーターの移動ケーブルの被覆が剥がれ、内部配線が損傷し、地絡によって2基のエレベーターが停止したものと推定しました。
2012年5月の開業以降、事故発生日以上の強風においても、同様の状況は発生しておらず、2025年12月に交換した移動ケーブルの「ねじれ」の角度、風向き、エレベーターの
通過位置等の組み合わせによって、極めて稀な状況で移動ケーブルがローラーガイドに巻き込まれ、今回の事故が発生したものと推測しました。
また、内部配線の損傷によりインターホン線が損傷したことにより防災センターとエレベーター内にいるお客さまへの呼びかけができなくなったことが判明しました。

6.再発防止策
要因①~③に対する再発防止策を検討し、以下の対策を講じることとしました。
■要因①への対策
冬のエレベーターを除いた春・夏・秋のエレベーターの移動ケーブルにおいて、「ねじれ」が発生していないか健全性を確認するとともに、今回の推定メカニズムに基づき、エレベーター運転時の移動ケーブルの挙動を再点検しました。その結果、異常は確認されませんでした。
■要因②への対策
塔体の揺れについては、従来の実績より、特に対策は不要と判断しました。
■要因③への対策
春・秋・冬のエレベーターに設置している「ロープ振動絶縁装置」のローラーガイド部分に移動ケーブルとの接触を防止するカバーを追加する対策を講じることとしました。これにより、
移動ケーブルの「ねじれ」と塔体の揺れに伴う移動ケーブルの揺れの方向が、今回と同様の状態となったとしても、「ロープ振動絶縁装置」のローラーガイドに巻き込まれることを防止することができます。
(夏のエレベーターには、「ロープ振動絶縁装置」は設置していません)
7.東京スカイツリー展望台エレベーターの総点検の結果について
このたびの閉じ込め事故を受け、お客さまがご利用される4階から天望デッキを結ぶ春・夏・秋のエレベーター3基、天望デッキから天望回廊を結ぶエレベーター2基、そして天望デッキ内
の各フロアを結ぶエレベーター1基のすべてを点検し、異常がないことを確認しました。なお、冬のエレベーターについては、移動ケーブルの交換等、引き続き、点検を実施してまいります。
8.東京スカイツリーの営業再開について
春・夏・秋のエレベーター3基への対策および東京スカイツリー展望台エレベーターの総点検の結果を踏まえ、お客さまがご利用されるすべての展望台エレベーターの安全が確認できた
ことから、2月26日(木)午前10時より、東京スカイツリー展望台の営業を再開することといたします。

<参考1>
2月22日(日)に発生した東京スカイツリー®展望台エレベーターの停止に関する時系列
2026年2月22日(日)
20:15頃 地上から天望デッキ(地上350m)へ向かうエレベーター4基のうち、冬の
エレベーターが天望デッキ フロア340(地上340m)から5階 出口フロ
アへ降下中、「点検運転」に切り替わり、地上約30m付近において停止
※合計20人が乗車(男性7名、女性13名(お子さま2名))
その後、4階 入口フロアから天望デッキ フロア350(地上350m)へ
上昇していた秋のエレベーターにおいて「故障警報」が発報、天望デッキ フロ
ア350においてお客さまは降車、その後に停止
冬のエレベーターに乗車していたお客さまが警察に110番通報
春・夏のエレベーター2基も安全を鑑みて停止
※この時点で天望デッキおよび天望回廊に約1,200名のお客さまが滞留
21:30頃 春・夏のエレベーターを運転再開、展望台のお客さまを地上へご案内
22:45頃 展望台に滞留していたすべてのお客さまの地上へのご案内が完了
2月23日(月・祝)
1:16 秋のエレベーターを地上350mから約30m付近に移動開始
1:38 秋のエレベーターが地上約30m付近に到着
1:46 冬のエレベーターのお客さまが秋のエレベーターへ移動を開始
1:55 すべてのお客さまが秋のエレベーターへ移動
2:02 秋のエレベーターを5階へ移動し救助、メディカルチェックを行う
2:18 すべてのお客さまにおいて、体調不良の方がいないことを確認
2:35 すべてのお客さまが退館
※4名様がタクシーでホテルへ移動、ご宿泊、16名の方がタクシーで帰宅
7:00 2月23日(月・祝)の東京スカイツリー臨時休業を発表
17:00 2月24日(火)の東京スカイツリー臨時休業を発表
2月24日(火)
15:00 お客さまがご利用される4階から天望デッキを結ぶ春・夏・秋のエレベーター
3基、天望デッキから天望回廊を結ぶエレベーター2基、そして天望デッキ内
の各フロアを結ぶエレベーター1基のすべてを点検し、異常がないことを確認
17:30頃 2月25日(水)の東京スカイツリー臨時休業を発表
2月25日(水)
17:00 本件に関する原因と対策の内容および2月26日(木)午前10:00からの
東京スカイツリー営業再開を発表

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