C/2025 A6の乱れたプラズマの尾

乱れたプラズマの尾

(1) 層状・帯状構造 (Striations)

•テイル全体に縦縞状の明暗パターン

•太陽風の磁場変動(B-field fluctuation)やプラズマ密度変動に対応

•磁力線に沿った電子密度変化によって発光強度が変化

(2) 分裂構造-1 (Disconnection Events, DEs)

•尾の途中で「切れた」ように見える箇所がある

•太陽風中の磁気リコネクション（magnetic reconnection）や磁場の反転によって起こる

•尾が一度切断され、再び形成される現象はDisconnection Events(略してDEs)

•太陽風中の磁場の境界面(HCS)を彗星が通過すると磁場の向きが反転し、磁気リコネクションが発生

(3) 分裂構造-2 (Magnetic field structure)

•尾が二本ある＝磁場構造が二系統に分かれた

•一方の磁場線に束縛された「旧テイル」と新しい磁場線に沿ったイオン流が「新テイル」として形成

•CO⁺(青白)、H₂O⁺(やや緑) などがそれぞれ異なる加速度を持ち、発光強度や方向がわずかにずれるため二層に見える

(4) 波動・蛇行構造 (wiggles, kink waves)

•細いプラズマストリームが蛇行状・波動状に見える部分

•太陽風磁場中を伝わるアルフヴェン波(Alfvén wave)や磁気流体波(MHD波)によって説明可能

•アルフヴェン波は、磁力線に沿って伝わる横波で、プラズマ中の張力のような性質を持ち、推定されるアルフヴェン速度は 50km/s程度