流氷の薄化・減少
気候変動に伴う海水温上昇の影響を受けるオホーツク海で、流氷の厚さが1980年代までと比べ約30%薄くなっている。流氷面積の減少は以前から知られていたが、厚さに関する長期的な変化が確認されました。
オホーツク海は世界平均の3倍の速度で温暖化が進んでいるとされ、同海域の流氷は「地球温暖化のセンサー」と呼ばれます。
今年は網走市で22日、紋別市で26日にオホーツク海の流氷が沿岸を覆い、船舶の航行ができなくなる「流氷接岸初日」が観測されました。オホーツク海の流氷の面積は過去40年間で約30%減少しており、2050年までに現在の3分の1まで減るとの予測もあります。
流氷は塩分をほぼ含まないため、解けると水深50メートル未満の層にある海水の塩分濃度が薄くなります。こうした特徴を踏まえ、オホーツク海の北緯48度以南で過去に観測された塩分濃度のデータから、年代ごとに解けた流氷の分量と厚さが算出されました。
戦後以降のデータ分析の結果、1950~80年代の40年間の流氷の厚さは平均94センチだったが、以降の90~2020年代の平均は67センチと約30%減少していたことが分かりました。
面積減少に加え、厚さも薄くなったことで、オホーツク海南部の流氷の総量は最大で半分程度まで減っている可能性があります。
人工衛星で流氷面積の観測が始まった78年より以前のオホーツク海の状況も推計され、1950~80年代の流氷は温暖化の影響がほとんど見られず、90年代から減少が本格化したことが判明しました。
網走 流氷接岸
流氷観光本格化
流氷&知床観光用の小型新造船「おーろら3」
小型船なので氷を砕くことはできませんが、通常の3倍の厚みがある船体で流氷の近くを航行することが可能です。定員は「夏期 77 名・冬期 30 名」と明記されており、春から秋は知床観光船として活躍します。
昨年3月にもう一隻の流氷観光砕氷船おーろら2(489トン)が引退しており、今後はおーろらとおーろら3の大小2隻体制で運航されます。