冬至は日没が一番早い日ではない
冬至は一年で一番昼が短くなる日ではありますが、日没が一番早い日ではないのは、日常生活でなんとなく感じている人はいると思いますが、理由はご存じでしたでしょうか?
日本の場合、東経135度の地であれば、毎日、南中時刻は12:00のはずだが・・・
太陽は星座を形づくる星々の間を東へ東へと1日に約1度移動し、1年で星座の間を一回りします。この、東に向かって移動する速さが1年中まったく変化しなければ、南中時刻は毎日同じ時刻になります。しかし実際には、太陽の移動する速さはわずかですが変動していて、速く動く時期と遅く動く時期があるために、南中時刻も日によって変わるのです。なぜ太陽の東に移動する速さが変化するのでしょうか。それには大きく2つの理由があります。
- 地球が太陽のまわりを回る軌道が完全な円ではなく楕円のため、太陽に近いときには速く動き、太陽から遠いときには動きが遅くなります。そのために、地球から見た太陽の動きの速さも、それにしたがって変動する。
- 太陽は、夏には北寄りに移動し、冬には南寄りに移動します。太陽が動く速さが一定だったとしても、この南北への移動が大きいとき(春分・秋分前後)にはその分東への移動量は小さくなり、南北への移動が小さいとき(夏至・冬至前後)には東への移動量が大きくなります。
そこで、太陽の速さの変動をならした平均の長さを「1日の長さ」と定義して使っています。天文学では、実際に見えている太陽とは別に、いつでも同じ速さで移動する仮想の太陽を考え、これを「平均太陽」と呼び、実際に見えている太陽のことを「視太陽」と呼びます。「視太陽」と「平均太陽」との位置の差を時間に換算したものを「均時差」と呼びます。
均時差が「0」だとすると、「日の入時刻 = 南中時刻 + (昼の時間 / 2) 」ですが、均時差を考慮すると、「日の入時刻 = 南中時刻 + (昼の時間 / 2) - 均時差 」 となります。
12月 6日の場合 日の入り時刻 = 12時 + 9時間57分/2 - 8.981 = 12時 + 4時間58分 - 9分 = 16時49分
12月21日の場合 日の入り時刻 = 12時 + 9時間50分/2 - 1.905 = 12時 + 4時間55分 - 2分 = 16時53分