アイヌ民族は「私の無音の人生に同情してくれた」
視力・聴力・話す能力を失う、三重苦の障害を乗り越えた、ヘレンケラーが、1937年(昭和12年)に来日していました。6月18日(函館)~21日(七飯町大沼公園)~22日(長万部~小樽)。その来日時の感謝を表した書簡が、八雲町出身の人から市立函館博物館へ寄贈されました。
書簡の訳
美しい英語の手紙と、私が長万部で撮ったアイヌに囲まれた写真で、二重の喜びを与えてくれました。トムソンさんと私は、1937年に北海道で撮った写真が家の火事で焼けてしまったので、この写真を手に入れたことを特に嬉しく思っています。この写真を見ると、私たちの感動的な思い出-優しいアイヌが私たちにお辞儀をして、彼らが私の暗い無音の人生に同情してくれたことや、彼らの素朴な家を見学したこと、彼らがそれほど恐れず安全に遊ぶ方法を知っている熊を一見したことなど-がよみがえってきます。このような北海道旅行の歓迎の記念品を送ってくれるようあなたに依頼してくれたお心遣いに、心から感謝しています。1937年当時、そして11年後、私のようなよそ者を一掃するほどの悲惨な戦争の後で、日本の人々の愛情、善意、美しいもてなしがどれほど心に残っているか、お伝えくださいませんか。私たち二人からの親愛なる挨拶と、皆さんの学問の幸福とこれからの豊かな成果を祈念しています。
敬具
ヘレン・ケラー
コネチカット州ウェストポー
道内での行程
ケラーの函館訪問を報じる新聞
長万部で撮影された写真
当時八雲高校に在学していた寄贈者は、ヘレン・ケラーに手紙を送った。それは1937年6月22日に長万部駅で撮影された写真を送るためのものでした。