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2024年 600度の法則 大外れ
サクラの開花でよく知られているのは「600度の法則」です。
2月1日からの最高気温を足していって合計(積算)が600度付近になると、サクラが咲くというものです。実際、過去の例でいくと昨年が3月14日で593度、一昨年が3月20日で627度、過去10年の平均で614度と、突出しての異常な値はありません。
しかし今年は3月27日15時までで732度で、すでに積算温度が730度を超えています。⇒ 3/28 14.6度 3/29 22.2度 ⇒ 768.8度
積算温度が730度を超えての開花は、過去もっとも積算温度が大きかった1962年の768度以来ですから、実に62年ぶりの珍事ということになります。1962年(768度)は冬が寒くて2月になっても最低気温が0度未満の冬日が半月ほどありました。また3月も総じて気温が低く、日照時間も少なかったことから、なかなかつぼみが成長できなかったことが推測できます。
今年の冬は全国的に気温が高く、2020年に次いで史上2番目の高温でした。そして東京の場合、3月に入って雪が降るなど「寒の戻り」はありましたが、特別気温が例年より低いというわけではありません。
都市気候で東京のサクラは目覚めが遅い ・・・・・ そこで考えられるのは、「休眠打破」です。
サクラはただ単純に暖かいだけでなく、冬の間に一定程度の寒さがないと開花スイッチが入らないので、冬が暖かすぎると開花が遅れるのです。
実際に、その昔はサクラの開花というと鹿児島や宮崎など九州南部が全国で一番早く開花することもありました。ところが近年は九州南部の冬は暖かすぎて「休眠打破」がうまくできず、サクラの開花が遅れるという事態になっています。今年も九州より先に高知が3月23日開花しました。
2023年3月29日 かなり散りました
3月26日 桜と新緑
3月22日 朝
3月16日 朝
2023年2月1日~3月14日の累積温度 法則的中
593.8度 あと、6.2度
現在のウェザーニュースの最高気温予報でいくと、
7日 18.8度 (455.9) 、 8日 21.3度 (477.2) 、9日 22.2度 (499.4) 、10日 22.9度 (522.3) 、11日 20.8度 (543.7) 、12日 18.8度 (562.5) 、13日 16.7度 (579.2) 、14日 14.6度 (593.8) 、15日 17度 (607.2) 、
2023年3月15日
2023年3月13日
2023年3月12日 開花開始です
2023年3月11日 開花直前
2023年3月10日
2023年3月8日
2023年3月5日
2023年3月4日
2023年の開花予想
2022年3月19日 600度を超えた日に開花
3月18日時点 592.5度
今年と冬の寒さが似ていた2018年と比較してみます。
西暦 | ソメイヨシノ開花日 | 2月1日以降の累積最高気温 | 前年10月から1月までの最高気温の平均 | 備考 |
2018年 | 3月17日 | 558 | 14.3 | |
2022年 | 3月19日 | 600 ? | 15.8 |
前年10月から1月までの最高気温の平均の値より、開花日までの2月1日以降の累積最高気温は600度前後と思われますので、あと123度です。今後の最高気温が毎日15度とすると8日間くらいです。
13日 19.5度 496.5、14日 24.1度 520.6、15日 20.3度 540.9、16日 20.3度 561.2、17日 21.0度 582.2、18日 10.3度 592.5度
開花日を予測
2月1日以降の最高気温を足し算していき、累積温度が600度を超えた日に桜が開花する
平均気温の累積温度が400度を超えた日という法則もあります。
より予測精度を上げるには秋~冬の気温を考慮
前年10月から1月までの4か月間の最高気温の平均値と累積温度との相関をみると、前年10月から1月までの最高気温が高いほど、桜の開花には累積最高気温(2月1日以降の最高気温として)高い温度が必要になり、最高気温が低いほど、低い累積最高気温で開花するようです。