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新規参入相次ぐ
涼しい気候や水はけの良い土壌がワイン用ブドウの栽培に適しているとして近年、新規参入が相次いでいます。道南のワイン造りの先駆けである「はこだてわいん」(渡島管内七飯町)の誕生から今年で半世紀になります。
ド・モンティーユ&北海道
北海道ワインの選び方
① 地域ブランドで選ぶ
いくつか人気のワイナリーをご紹介します。
- おたるワインギャラリー:小樽運河から車で20分。ガラス越しに瓶詰ラインの見学や、ワインの試飲もできる醸造所です。
- さっぽろ藤野ワイナリー:自社畑でブドウを育てながら北海道内の農家とも協力しており、ブドウ本来の味わいを最大限に生かすため、ろ過を行わずワイン造りを行なっているのが特徴のワイナリー。試飲もできます。
- はこだてわいん:常時6種類以上の試飲が可能な醸造所。ワインソフトクリームが味わえるワイナリーとしても人気です。
また、北海道ワインとひとくちに言っても地域ごとにさまざまな特徴があります。ウイスキーで有名な余市町で造られている「余市ワイン」に、北海道のなかでも寒暖差が激しい十勝地方で造られる「十勝ワイン」、土壌の性質や気候がヨーロッパと酷似している富良野で造られる「ふらのワイン」など、それぞれの地域で風土をいかしたワイン造りが進められています。
また少し珍しいところでは、北海道の離島・奥尻島で造られる「奥尻ワイン」にも注目。さまざまなワイナリー・地域ブランドがある北海道ワインですから、気になるブランドからお気に入りの一本を見つけてみたいです。
② 料理を引き立てる種類を選ぶ
ワインは製造方法や原材料により、スティルワイン・スパークリングワイン・フォーティファイドワイン・フレーバードワインの4種類に分類されています。
私たちがよく知っている赤ワイン・白ワイン・ロゼワインはスティルワイン(非発泡性ワイン)の仲間です。ワインは料理をよりおいしく引き立たせるための飲み物という考えもあるので、ぜひ料理に合わせてワインを選ぶ楽しみも知ってほしいです。
ブドウの旨みが詰め込まれた、ほどよい渋みと深い味わいの赤ワインは肉料理、酸味と甘みのバランスがよくすっきりした味の白ワインは魚料理と相性がよいというのはご存じの通りでしょう。
食材に合わせて白・赤と選べば間違いも少ないので、初心者にも挑戦しやすいはず。また、北海道ならではの食材であれば、海の幸や羊肉が有名ですよね。ホタテやウニ、刺身などには白ワインはぴったりですし、ジンギスカンにはやっぱり赤ワインがおすすめです。
ほかには、こってりした料理には赤ワインを、あっさりしたお料理には白ワインを合わせるのもおすすめです。
ロゼは赤と白のちょうど中間の味わいのため、幅広い料理に合わせることができますので、迷ったときはロゼワインに頼るのも◎。鮭のチャンチャン焼きなどは魚料理ですが、濃い味噌味には赤ワインもおいしいです。
③ 味の決め手!ブドウの品種で選ぶ
- キャンベルアーリー:ワインの原料以外でも生食用にも作られています。糖度は16%、酸味はやや強めで濃厚で、フォクシーフレーバーと呼ばれるグレープジュースのような甘い香りが特徴です。
- ナイヤガラ:ジュースやワイン以外にも、少量ですが生食用にも流通されています。糖度が高く甘味も強めです。
- セイベル:フランスのセイベル氏が交配させた種で、1万種以上の品種が存在しています。5279は白ワイン用で爽やかな酸味とほのかな甘みが特徴で、13053は赤ワイン用で肉にも魚にも合うオールマイティな品種とされています。
④ ボトルの形を見て選ぶ
渋みが強い濃厚な赤ワインならボルドー型
肩が張ったいかり肩のような形をしているボトルは「ボルドー型」と呼ばれています。フランスの有名なワイン産地であるボルドーで伝統的に使用されてきたワインボトルです。
この形状のボトルに詰められたワインは赤ワインなら渋みが多く濃厚な味わい、白ワインならすっきりとした飲み味で、爽やかな辛口ワインであることが多いようです。
ちなみに渋みが多いと熟成中に澱が溜まってしまうので、注ぐ際にグラスに入らないようにと、いかり肩の部分で澱をストップさせやすいこの形が採用されています。
すっきりとした赤ワインが飲みたいならブルゴーニュ型
下へ向かって広がったなで肩のような形をしているボトルは、「ブルゴーニュ型」と呼ばれています。こちらもフランスのブルゴーニュ地方で使用されてきたものです。
赤ワインなら渋みの少ない酸味を感じるすっきりタイプ、白ワインなら高級なものが比較的多く、濃厚な味わいのタイプであることが多いでしょう。
見た目重視ならアルザス・モーゼル・ライン型
アルザス型はフランスのアルザス地方、モーゼル型はドイツのモーゼル地方、ライン型はドイツのライン地方で多く使われる背が高く細い形のワインボトル。この3つの型にはほぼ白ワインが入っており、細くて形もきれいなボトルはデザインも重視したメーカーが採用することが多いようです。
また緑や茶色のワインボトルが多いのも特徴で、紫外線等を通しづらい色を使ってワインのおいしさを保つよう、保護する意味もあります。
⑤ 好みの味を選ぶ
白ワイン、ロゼワインの味の表現として「甘口」「辛口」があります。ワイン中の糖分によって左右されるこの味わい。これは、発酵によってどの程度糖分がアルコールに変化したかによって違ってきます。
辛口と言っても本当の辛さではなく、甘味が少ないという意味ですっきりとした飲み口といったところ。
甘口にはほんのり甘いものから、しっかりと甘みを感じるものまで幅広くあります。
飲む前に見極めるのは難しいですが、表記のあるものはそれを参考に、書いていないものはアルコール度数が少し目安になるかもしれません。13%を超えるアルコール度数のワインは辛口の場合が多いようです。